GBA SPの「カスタマイズ品」が市場に出回っていることと、その見分け方(ピカチュウエディションの正規品と改造品編)



任天堂が2003年に発売した携帯ゲーム機
「ゲームボーイアドバンスSP」(略称 GBASP/SP)

このSPは様々な限定エディションが発売され、
今ではプレミアがついて高値で取引されているものが多くあります。

中でもポケモンシリーズの限定エディション
「ピカチュウ」「レックウザ」「グラードン」「カイオーガ」は、
現在のポケモン人気もあり、年々取引価格が上がっています。


このSPの限定エディションですが、カスタマイズ品が正規品として
ネットや現実の店舗に出回っている
例が見受けられます。


カスタマイズ品とは、主に外装(本体のガワ部分)を
非正規品(カスタムパーツ)と交換したものです。

この交換用外装(カスタムパーツ)は
ネットの通販などで誰でも手に入れることができます。


↑大手通販サイトで実際に販売されているもの。他にボタンなどの色違いの出品も有


普通のSP本体から基板や液晶を取り出し、
この外装につけることでカスタマイズ品のSP本体が完成します。

言うまでもなく、これは改造品であり非正規品であり、
厳しく言うと偽物です。

個人で楽しむ分にはいいと思いますが、
先述のようなプレミアのついた限定エディションを模したパーツに交換した物を
正規品としてネット上の通販サイトオークションフリーマーケット
更には実在の店舗で売りに出されている事があります。


今回はこのカスタマイズ品を見分けるポイントを、
「ピカチュウ」エディションを例にいくつか紹介します。



※この記事は、カスタムパーツの製造販売者や
 カスタマイズ品の販売ショップを
 誹謗・批判するものではありません。
 正規品が欲しい購入希望者、買取店への情報提供を目的としています。

※この記事を参考にするかは自己責任でお願いします。
 参考にしたことで受けた損害を補償することはできません。




上画像で紹介したページ以外に、ピカチュウエディションだけでも
何種類かのカスタムパーツが存在するようです。

中には巧妙に出来ている物もあるので注意が必要ですが、
必ずどこかに抜けがあるのでよく見れば分かるようになっています。

▼正規品かの確認点
  • L/Rボタンの色が
  • A/B/スタート/セレクト/十字/輝度ボタンの色が薄い茶色
  • 本体裏、製造番号などが書かれているラベルシールのフォントや汚れ具合
  • スピーカー部分が丸く透けて見えていない
  • 液晶画面の下部分のGBA SPのロゴの間隔


結論から言ってしまうと、現状、本物の可能性が一番高いパターン
後で紹介の基準をクリアした上で、
シリアルナンバーが一致している取扱説明書があり、
取扱説明書の保証欄にポケモンセンターやオンラインの
印鑑やシール
が貼られているもの
です。

取説の保証欄にもシリアルナンバーのシールが貼られているので、
古い物がはがされて新しく貼った跡がないかどうか、
2重に貼られたりしていないかを確認すれば大丈夫だと思います。

ただ、ポケモンエディションの保証欄については印鑑が無かったり
購入者がシールを貼っていない場合があるので、
保証欄に印が無いから偽物という判断は尚早です。


個人的には、後に紹介する基準をクリアした上
シリアルナンバー一致の“ちゃんとした”取説があり、
本体のラベルシールが本体と同等の汚れ具合であれば
本物判断でもいいかなと思っています。
(あくまで個人的な意見です)



確認点の詳細を、以下に書いていきます。



まずは本物(正規品)の画像がこちら。
(下画像はクリック/タッチすると、別タブで拡大表示できます)
 

 



よく出回っているカスタムパーツとしてあるのは、
ボタンの色が本物とは違うパターンです。

先に紹介した通販サイトのページでも分かりますが、
特にぱっと見で「L」「R」のボタンの色が本物と違います。

本物はピカチュウの耳先を模した(と思われる)ですが、
先のカスタムパーツの場合は赤系の色になっています。


物によっては正規品と同じ黒いボタンになっている場合があるので
黒いから絶対本物!という訳ではありません。

ただ、このLRボタンが黒でない場合は、
ほぼ確実にその本体は非正規品と判断していい
と思います。


また、カスタムパーツでは他のボタン(AB十字など)の色も
純正品とは違う色になっている場合があります。


本物は薄い茶色ですが、先のカスタムパーツはかなり赤が強く出ています


なお、このAB十字などのボタンは赤系のほかに「黒」や、
本物に似せた茶色の物もネットのフリーマーケットで出品されています。

このため、ボタンが茶色だから絶対本物!とはなりません。

逆に言えば、AB十字などのボタンが茶色以外の物に関しては
ほぼ確実にその本体は非正規品と判断していい
と思います。



次に判断する材料としては、ラベルシールが挙げられます。

本体裏には型番やシリアルナンバーが記載されたシールが貼られていますが、
このシールのフォント(文字)が正規品とカスタマイズ品で微妙に異なります。

※カスタマイズの完成品が売りに出されている場合、
 古いSPから正規のラベルシールをはがして、
 非正規品に貼りなおしている物
も確認されています。


このラベルシールもネットで誰でも買える状態で、
よくあるのは北米向けのシール(英語版)ですが
日本向けのシールも出回っています。

↑オークションサイトに出品されていたもの


今回は日本版を紹介しますが、
日本版の箱に北米向けシール本体の組み合わせは
本来はあり得ないことです。

本物と見比べると違いが判ると思います。
(下画像はクリック/タッチすると、別タブで拡大表示できます)


注目するのはシリアルナンバー部分(XJHxxxxx)
その下の「使用後はリサイクル協力店へ」の部分です。

特にカスタムパーツのシールは、英語版でも日本語版でも
シリアルナンバー部分が本物とはかなり違いがあります。

様々なパターンがありますが、カスタムパーツの方は
右寄せになっていたり、文字の幅が本物とはかなり違う
ことが多くあります。

また、「使用後はリサイクル協力店へ」の部分では、
特に「リサイクル」の片仮名部分が微妙に細くなっていることが多くあります。
(「」が一番わかりやすい)



その他に判断する材料としては
スピーカーの影が透けて見える」「液晶部分の下のロゴが違う」事があります。

本物はちゃんとしたガワが使われているため、
スピーカー部分は懐中電灯で照らしても透けて見えることはありません。


一方、カスタムパーツでは
スピーカー部分が薄っすら黒く丸く透けて見えている
物があります。
(素材が薄いのか、わざわざ照らさなくても見えていることがある)

また、改造者によっては
液晶自体や液晶にかぶせるパネルを交換している場合があります。
(新品のパネルにすれば、傷が無いため)

見分ける方法としては、
画面の下の「GAMEBOY ADVANCE SP」部分の
『ADVANCE』と『SP』の間のスペースです。

カスタムパーツでは、EとSの間のスペースが本物より大きい場合があります。



ここで紹介した判別方法は一例です。

今は様々なパターンのカスタムパーツが販売されており、
中にはかなり本物に寄せて作られているものがあります。


個人的には冒頭でも述べた通り、
本物の可能性が一番高いパターンは、先述の基準をクリアした上
シリアルナンバーが一致している取扱説明書があり、
取扱説明書の保証欄にポケモンセンターやオンラインの
印鑑やシール
が貼られているもの
だと思います。

取説の保証欄にもシリアルナンバーのシールが貼られているので、
古い物がはがされて新しく貼った跡がないかどうか、
2重に貼られたりしていないかを確認すれば大丈夫だと思います。

ただ、ポケモンエディションの保証欄については印鑑が無かったり
購入者がシールを貼っていない場合があるので、
保証欄に印が無いから偽物という判断は尚早です。

なお、本体裏のポケセンシールについては
既に非正規品が出回っている
ので、判断材料にはなりません。
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