【PS2】 SCPH-50000 のピックアップを交換する



今回は、CDやDVD・ソフトを読み込めなくなったPS2を修理していきます。

ネット上でよくある情報としては
ピックアップのレーザー出力を調整することですが、
今回はこのピックアップ自体を交換します。

というのも、Amazonで手に入ることをこの前知ったことと、
ピントが狂い始めた時点で寿命が近いということで
いっそのこと交換方法を記事にしてみようと思ったから。


ちなみに、Amazonでは下記の様に出品されています。


いくつか出品ページがあり、出品者も複数いますが
今回注文したのは上記のページの物。

対応機種に記載されているのは37000と39000ですが、
50000も同じ400Cなので問題ないはず(と思って購入)。

そして、届いたのがこちら。


SONYのロゴが入っているけど、修理品か何かかな?



今回はこのピックアップを古いものと交換する方法を紹介します。



このピックアップは、そのままでは使用できません。

静電気からレーザーを守るため、
レーザーに電気が流れないように半田が盛られています。

ピックアップを裏返して、赤丸の部分を見ると
半田が回路上に盛られているのが見えると思います。
(このとき、レンズに触れたりしないようにしてください)


半田ごてと吸い取り線を使用して、この半田を除去してください。


以降、静電気に注意するようにしてください。
(できれば先にドアノブなど金属の物などに触れておくと安心)



ここからPS2(50000)の分解に入りますが、
必ずコンセントを抜いた状態でおこなってください。

なお、型番によって本体の構造が違うため、注意してください。
今回はSCPH-50000を分解します。


分解歴が無い場合は封印シールと呼ばれる
「剥がしたら修理を受け付けない」シールが本体に貼られているので
剥がしてください。

本体背面の右下、映像端子の右に貼られています。
(下の画像は剥がした後)



次に、エクスパンションベイ(HDDを入れるとこ)の蓋を取ります。

これはただ引っかかって留まっているだけなので、
上の隙間から爪やマイナスドライバーを入れて引っ張れば取れます。



本体を裏返し、左4つ・右端2つのゴム足や蓋を外し、ネジを取ります。
右2つのゴム足のネジは取らなくて大丈夫です。

また、場所によってネジの長さが違うのでメモしておくと安心です。



本体を表に返し、上蓋の背面を持ち上げて手前にスライドさせると
上蓋が取れます。



本体の右側が光学ドライブです。(左側はヒートシンク&ファン)

ドライブの蓋は手前がネジ2本、奥が爪2つで留まっています。
このネジがとても小さいので、精密ドライバーを使ってください。



奥の爪は、穴からマイナスドライバーを入れて外側に押すと外れます。
このとき、蓋を上方向に引っ張りながらすると確実です。



蓋が取れたら、光学ドライブの中を弄ることができるようになります。

トレイがあると邪魔なので、
電源を入れて取り出しボタンを押し、トレイを出してください。

このとき、タイミングによっては
ピックアップからDVD用の赤いレーザーが出力されるので
直接ピックアップレンズを覗かないでください。

また、トレイを出した後は必ずコンセントを抜いてください。




まず、ドライブの奥にある金具を外しますが、
その前に左右にある白いギアと金具に目印をつけてください。


このギアはレールの角度を調整するためのものです。
金具を取るときにギアが動いてしまう可能性があるため、印をつけます。


金具は上の左右がS字の爪で引っかかっています。


このS字を両方とも外せば、金具も取れます。



これでレールごとピックアップを持ち上げることができますが、
ピックアップはフレキケーブルで繋がっているため引っ張らないでください。



ピックアップを裏返し、
ケーブルの留め具を爪などで下側に押せば外れます。





左が古いピックアップ、右が新しいピックアップ。

新しい方には角度調整用のネジとスライド用の爪がないので、
古いピックアップから移植します。



角度調整用のネジはトルクスネジ(T5)です。
ドライバーを持っていない場合は、下記のセットにあります。


普通のネジと同様に回せば取れます。
取れたら新しいピックアップへ付けます。



スライド用の爪はピックアップの裏にねじ止めされています。
これも取ったら新しい方へ移植します。



新しい方へ移植出来たらピックアップの準備は完了です。



ここから、新しいピックアップをPS2本体へ装着します。

フレキケーブルを新しいピックアップへ繋げます。
ケーブルを端子に差し込んだら、端子の爪を今度は押し上げます。



レールを取り付け、レールにピックアップをセットします。

左と右でレールの太さが違うので注意してください。
(左が細くて右が太い)



ドライブ奥の金具を取り付けます。
金具の手前の出っ張りを押し込んで、曲げるように奥に倒せばハマります。



レールのギアが回ってしまった場合は六角レンチで自分で回せます。

万が一、印をつけていなかった場合には
横からレールを見て、ドライブの壁などと平行になるように調整してください。
(本来はセットしたディスクに対して平行にするべきですが、難しいので)



次に、ピックアップの角度を調整します。

これはピックアップを一番奥までスライドさせ、
奥の壁とピックアップが平行になるようにします。
(ネジを締めると角度が高くなります。締めすぎるとスライドできなくなるので注意)

下の画像の場合、左に傾いてる状態(赤線)のため
ネジを締めて奥の壁と平行にします。(黄色い線)



ここまで出来たら、ドライブの蓋をセットして動作確認をします。

蓋は奥の左右の爪を押し込むだけ、ネジを締めなくて大丈夫です。


主にPS2のソフト(CD/DVD/片面2層のDVD)と
PS1のソフトの読み込みを確認すれば大丈夫です。

工場出荷時にレーザーの強度は調整されているはずなので、
この時にうまく読み込めない場合はケーブルや角度を確認してください。


できれば、動作確認できたあとにドライブの蓋を取り、
ピックアップのレールや右側のスライド用のレール(ぐるぐるしてるやつ)に
グリスを塗っておくと長持ちすると思います。


あとはこれまでと逆の手順で組み立てれば完了です。



今回初めてAmazonでこのような精密部品を購入しましたが、
ちゃんと動いてくれてるので個人的には満足です。

レーザーの出力を細かく調整するのも手ですが、
手間とこれからを考えると交換しちゃうのもアリかなと思います。

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