【ドリームキャスト】 LANを使用したゲームデータの吸出し



久しぶりのゲーム関連記事。
今回はドリームキャスト(DC)のゲームソフトの吸出し方法を紹介します。

DCのソフトはぱっと見CDですが、
規格は「GD-ROM」という独自のフォーマットです。

このため、基本的には
DC本体以外のドライブでは読み込むことが出来ません。

そこで、現在ではDC本体を使用した吸出し方法が
下記の2通り用意されています。
  • LANアダプタを使用し、DC本体で読み込んだゲームデータを転送
  • DC本体にあるシリアルポートを使用し、ゲームデータを転送(保存)

今現在、最も安く済む方法は
シリアルポートに専用のSDカードリーダをセットし、
そのSDカードにゲームデータを保存するという方法。

カードリーダはAmazonで5000円程度で売られています。
(ちなみにLANアダプタはヤフオクで1万円前後)

SDカードへの吸出し方法は色々なところで紹介されているため、
今回はあまり情報のない、前者のLANアダプタを使用した方法を紹介します。


LANを使用した吸出しに必要な物は下記の通りです。
  • DC本体 (MIL-CD対応)
    (MIL-CD非対応の場合、httpd-ackを起動できません)
  • LANアダプタ (DC本体に装着)
  • ブロードバンドパスポート (LANアダプタの設定に使用)
    (LANアダプタにセット(同梱)になっている物です)
  • LANケーブル 1本 (DCとルータ・ハブへ接続用)
  • ブランク(空)のCD-R 1枚
  • httpd-ack (DCで吸出しする際に必要)
  • DiscJuggler (体験・無料版)
  • ちょっとしたネットワークとPCの知識


今回は基本的に下記のような構成になります。
(PCやゲーム機を有線でネットへ繋ぐのと同じ感覚)

 DC  PC
 │   │
【 ルータ 】(もしくはハブ)

ルータかハブが無い場合には、
PCとDCを直接LANケーブルで接続します。

他サイトの昔の記事ではクロスケーブルを使用して
直接DC-PCを繋ぐ方法が紹介されていますが、
現在の機器では自動でMDIとMDI-Xを切り替える機能があるので
LANケーブルの種類は意識しなくて大丈夫です。
(古いPCを使用する場合はこの機能が無い場合があるので、
 その際はクロスケーブルが必要になります)


PC側はWebブラウザが使えてファイルのダウンロードが可能であれば
Windowsのバージョンは特に問いません。


外部のネットワークへ接続されている環境で吸出しをする場合は、
ルータのファイアウォールで内向きTCP80番を閉じておくことをお勧めします。



まず、吸出しに使用するためのソフトをPCで作成します。

DiscJugglerをダウンロードしインストールします。
(体験版で大丈夫です)

次に、有志製作の「httpd-ack」をダウンロードして解凍します。
リンク先のfilesから、dreamcastのelf+cdi bootcdをクリックすることでDLできます。

解凍した中にあるcdiファイルをダブルクリックするとDiscJugglerが起動します。
(起動しない場合は手動で起動させ、cdiファイルを読み込ませてください)

(体験版の場合、広告を閉じれるようになるまで10秒待ちます)

DiscJugglerのAdvancedタブを開き、下記のように設定します。
  • Mode : Mode2
  • Block : 2352
  • Misc : RAW Write にチェック


設定出来たら空のCD-RをPCの光学ドライブに入れ、
DiscJugglerのStartボタンを押してCDに書き込みます。



次に、ドリームキャスト本体側の設定をします。

DCにLANアダプタをセットし、
LANケーブルでルータ(ハブ)へ接続したら
「ドリームパスポート」を起動させます。

ドリームパスポートのメニュー画面が表示されたら、
「オプション」→「プロバイダー」と進みます。

ネットワーク情報画面で、ドリームキャスト本体のIPアドレスを設定します。

(画像は一例。PCと同じネットワークに属するようにしてください)

最低限、手動で必要なのは
「IPアドレス」「デフォルトゲートウェイ」「サブネットマスク」です。

次へ進むとメールなどの設定になりますが、全部飛ばして大丈夫です。

最後にアダプタに設定を保存します。


ドリームキャストの電源を切って、ドリームパスポートを取り出します。



ここまで一通り出来たら、
先ほどPCで作ったCD-RをDCに入れてDCを起動させます。

正常に作成できていて、本体がMIL-CDに対応していれば
メニュー画面の「プレイ」からプログラムを起動できます。

プログラムが起動すると、DC内でWebサーバが立ち上がります。


Webサーバが正常に立ち上がったら、PC側でWebブラウザを起動させ
URL欄に、設定したDCのIPアドレスを入力してページを表示させます。


これで、リンクをクリックすることで
BIOSやゲームデータなどのファイルをダウンロード出来るようになりました。

あとはドリームキャストに吸い出したいゲームソフトをセット(入れ替え)し、
数秒待ってページをリロードすれば
最新の状態(入れたゲームソフトの情報)にページが更新されるので、
リンクをクリックしてゲームデータをPCへダウンロードしていくだけです。


一度CD-Rを作成しLAN関係を設定すれば、設定が消えることが無い限り
最後の手順部分(CD-RをセットしてWebサーバ立ち上げ)から
再開できます。



吸い出したデータは自身の責任で保管し、
他者へ渡す・ネットで公開するなどの行為は絶対にしないでください。

また、ゲームソフトを手放す場合には
吸い出したデータを削除するようにしてください。

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